望み①

望み 雫井脩介 箸 読了。

主人公、石川一登とその家族が住む街で少年リンチ殺害事件が起こる
時を同じくして一登の高校生の息子が行方不明となっていた。
事件と関係しているらしい。
被害者はもう一人いるとゆう噂がある。
息子は加害者として逃げているのか
被害者としてもう息をしていないのか。
加害者であったとしても生きていてほしい母親
殺人など犯すはずないと信じる父親
心理描写がとても苦しく自分なら何を望むのか考えてしまう物語。

殺人犯になってしまったかもしれない親のやるせなさや、未来への不安、覚悟。
息子がリンチの末、命を失ったかもしれない絶望どちらを選んでも崩れる日常。

この本を手に取ったのは
程度は違えど
子供に対して加害者、被害者ならこちらであって欲しかったとゆう体験が何度もあったから。
学校で意見の食い違いからお互い手が出たって時限の話だったり、
ただただ息子が悪い事もあった。
その度、相手方に謝罪を繰り返してきた。
親の責任を果たさなければ。
息子が自分の行動は間違っていたと気づかせなければ。
謝罪の姿を見て息子が何を感じたのか息子の態度からは正直わからなかった。

徐々に学校からの電話が恐くなり、
本心では放課後に遊びに行くのを止めたくなるような気持ちを抑えて過ごしいてる。

加害者になった場合
何故やったのか
何がダメだったのか
どうすれば良かったのか
とゆう事を子供に理解させ、親が状況を把握した後に相手方への謝罪に向かう。
ただ子供相手だとこの作業は非常に時間を費やす。
被害者になった時も状況把握、どうすれば揉めなかったか等話はするが
加害者側が大体の話を持ってきてくれるのか否かは別としても相手の出方を待つ分、幾分気持ちは楽なのであった。

要は私は子供には被害者であって欲しいと安易に思っていた。

ただ読み物として客観的にどちらの立場を望むのか考えたらこれはどちらも無い。

トラブルを起こすでも巻き込まれるでも無く過ごして欲しい。
有事にはここまで大事になる前に相談できる子に育てなければと思い直すキッカケになった。